肌が衰えて老けていく老化現象で問題なのが酸化です。
酸化は電子を失うことですが、人体で考えるなら、酸化は「老化」や「劣化」と考えたほうが分かり易いでしょう。
酸化されるのは細胞であったり、細胞の栄養源であったりしますが、酸化されてしまった物質は本来の姿では無くなり、機能を果たすことが出来なくなったり、間違った情報を持たされてしまったりするのです。
当然、体内はすべて秩序立てて運用されていますから、そうしたイレギュラーなものは修復されたり排除されたり、捨てられて新しいものと入れ替えられたりするのですが、その数があまりにも多くなりすぎると、だんだん大きな組織自体の問題になって来ます。
いくつかの細胞で起こったイレギュラーが、やがて組織的なイレギュラーになり、もっと大きな組織自体のイレギュラーに進行してしまうことで、やがて取り返しの付かない老化現象や病気を引き起こすことになります。
アンチエイジングの観点で見ると、酸化をいかに食い止められるかが、若くなる、若さを保つために重要な課題なのです。
目次
つまり抗酸化力をつけると若さを保てる!
抗酸化力とは、前述のような酸化に対して抵抗するさまざまな手段のことです。
もともと私たちの身体には抗酸化力が備わっていますが、加齢と共にその能力が衰えたり、社会生活や食生活の中で十分に働かなくなったりすることが増えて来ます。
酸化しないように出来ればいいのですが、私たちが生きる限り、絶対に酸化のリスクを追うことになります。それは、呼吸一つ取っても体内には活性酸素が生成され、それが周りの細胞を酸化させるからです。
私たちは、生きるために酸化のリスクを負い、同時にそのリスクを軽減するための仕組みを持って生きています。抗酸化力はそうしたリスク回避のためのシステムで、体内で合成されるSOD酵素などもリスクヘッジの一つです。
その他にも、食べ物から抗酸化力を持つ栄養素を摂取し、体内が酸化しないよう常に運用しています。抗酸化力とは、健康に長く生きるために欠かせない仕組みなのです。
食べれば食べるほど若くなる!?抗酸化力のある食べ物
自然界の動植物は、人間と同じように酸化のリスクを持っているため、体内に抗酸化力を備えているものもたくさんいます。
特に紫外線の攻撃を受けながら育つ植物には、高い抗酸化力を持つものも多く、そうしたものを食品として摂取することで、私たちの抗酸化力に変えることが出来ます。
食事で抗酸化力を得るために、抗酸化力の高い食品を知っておくのは大事なことです。
抗酸化力のある食べ物のおすすめはコレ
抗酸化力のある食べ物は、抗酸化成分を豊富に含む食べ物です。非常にたくさんありますが、分類別に主だったものを挙げてみましょう。
ビタミン類
ビタミンE・・・ナッツ、ブロッコリー、アボカド
ビタミンC・・・フルーツ、ジャガイモ
フィトケミカル
β-カロテン・・・緑黄色野菜
リコピン・・・トマト、すいか
ポリフェノール・・・赤ワイン、カカオ
イソフラボン・・・大豆
アントシアニン(ルテイン)・・・ビルベリー
この他にもたくさんの食品がありますが、色鮮やかな食品には高い抗酸化力があることが分かっていて、赤や橙色、黄色など明るい色素を持つ食品は酸化に強い食品ばかりです。
例えばこういう食べ物も抗酸化力が高い
シャケやイクラ
⇒アスタキサンチンというカロテノイドが含まれていて、非常に強い抗酸化力を持っています。
緑茶や大麦若葉や明日葉
⇒鮮やかな緑色をした緑茶はカテキンが豊富で、青汁の原料である大麦若葉や明日葉などにも高い抗酸化力があります。
ルイボス
⇒体内にあるSOD酵素と同じ酵素を持つルイボスなども抗酸化作用の高い植物
一方でバナナ、レンコン、にんにくなど色の淡い食品にも抗酸化酵素が含まれていますので、上記で挙げた食品を中心にいろいろな食べ物を摂取するのが一番でしょう。
見た目が若くなるフィトケミカルを含む食べ物
フィトケミカルは、食物繊維に次いで第七の栄養素になるのではないかと言われている物質です。
植物由来の物質で、数千種類あるものの総称です。
近年、病気の予防や改善、治療に期待が寄せられているものも多く、必須栄養素ではないものの、その重要性を高めている存在です。どんな成分がどんな食品に含まれるのか、主だったものをまとめてみましょう。
フィトケミカルってどんなもの?
フィトケミカルは、元々植物が自分の身を守るために作り出す物質です。
植物は動けませんので、紫外線や有害物質に晒されたり、害虫などに食べられたりした時に化学物質を作って対抗するしかありません。あらゆる植物が持つ独特の色や香り、辛味や苦味などがフィトケミカルで、そのすべてが解明されているわけではありません。
何よりすごいのは、私たち人間が摂取しても、体内で抗酸化作用を発揮することです。私たちの体内では作れず、植物しか作り出せない特別な物質です。
フィトケミカルを含んだ食べ物・食材
主だったフィトケミカルと、それを含む食べ物、食材を挙げてみましょう。
アントシアニン
ブルーベリーやビルベリー、カシスなどに含まれます。
非常に強い抗酸化力を持っていて、だいたい黒っぽい紫色を持つ食品に多く含まれます。
レスベラトロール
サンタベリーやブドウに多く含まれます。
抗酸化力が強く、サーチュイン遺伝子を活性化させるとも言われています。
イソフラボン
大豆や大豆加工食品に多く含まれてます。
フラボノイド系に属する成分です。
女性ホルモン様物質としても作用します。
リグナン
ごまに含まれるゴマリグナンが有名です。
亜麻種子に含まれる亜麻リグナンも知られています。
女性ホルモン様物質としても作用します。
ヘスペリジン
柑橘類の皮や、剥いた時に見えるすじに多く含まれています。
末梢血管の血流の改善効果があります。
クルクミン
秋ウコンに多く含まれている成分です。
胆汁の分泌促進や肝機能向上の働きがあります。
カテキン
緑茶や紅茶の渋味成分です。
強力な抗酸化作用と抗菌・抗アレルギー作用を持っています。
血糖値の上昇を抑制する作用もあります。
ルテイン
マリーゴールドや緑黄色野菜に多く含まれます。
特に水晶体で強力な抗酸化作用を発揮します。
ゼアキサンチン
ホウレンソウ、パプリカ、卵黄に多く含まれる成分です。
ルテインとともに存在しています。
アスタキサンチン
鮭やいくら、えびなど赤い魚介類に多く含まれています。
抗酸化力はビタミンEの約1000倍とも言われています。
リコピン
トマトやすいかに多く含まれています。
血流を改善させる効果があると言われています
抗酸化力のある食べ物とミネラルの重要性
抗酸化力のある食べ物さえ食べていれば良いというわけではなく、必ず一緒に働く栄養素を摂取する必要があります。
特に大事なのがミネラル類で、現代日本人には特に摂取が足りない栄養素と言われているので、意識して摂る必要があります。
なぜ日本人には足りないかというと、土壌の中にミネラルの含有量が少ないからだとも言われています。水も軟水でミネラルが少なく、作物にも含まれにくいため、食生活でなかなか摂取しにくいと言うのです。
また、ストレスや喫煙、食品添加物などで体内のミネラルを無駄遣いすることも不足の原因と言われています。
避けられるものは避けたいですが、どうしても足りないのであれば、抗酸化物質と一緒に積極的な摂取をしたいものですね。
抗酸化力とは、読んで字の如く、酸化に抗う力のことです。
自然界には酸化という現象があり、物質が酸素と化合すると酸化化合物になります。鉄なら酸化鉄、銅なら酸化銅に変化しますが、化学式で見ると、酸化後には電子を失っていることが分かります。
同じ現象が人体の中でも起こっているのですが、少しでも若く見られたいなら肌を酸化させないようにするのが重要です。
上記で上げた食べ物・食材は抗酸化力のある食べ物や体内で抗酸化力を発揮する食べ物(フィトケミカル)で、食べれば食べるほど若くなる(若さを維持)食べ物です。
肌をきれいにしたい方やこれ以上老けたくない方は普段の食事に取り入れるように心掛けることが大事です。